特別展「式年遷宮と日本伝統工芸」/伊勢・神宮美術館

 昨年の9月に始まった第70回日本伝統工芸展も、先月、九州福岡会場を最後に無事終了しました。今回は作品とともに一昨年に行った「木工芸伝承者養成研修会」の報告と成果物の展示もあり、思い出深い会となりました。多くのお客様にご覧いただき誠にありがとうございました。


 例年はこれでようやく作品が帰ってくるのですが、今回はさらに選抜展が開催されるため帰宅はもう少し先になりそうです。この選抜展は伊勢神宮美術館を会場として、日本伝統工芸展の70回の節目を記念して開催されるもので、いわゆる人間国宝の作品や受賞作、神宮ゆかりの作家の作品が展示されます。

 神宮と工芸作家は御神宝の製作などを通して深い関係があります。私たち工芸家が常に規範とする正倉院は、あたかも時を止めたかのように、宝物すなわち過去の偉大な作品をそのまま保存しています。対して神宮の宝物=御神宝は発祥の時期こそ同じくしますが、20年に一度すべてを新しく作り続けて常に新しい姿で今を迎えています。どちらも美の伝承、技の伝承にとって欠かせない稀有な存在なのです。 

 神宮の美しい森に包まれた静謐な美術館でゆっくりご覧いただきたくご案内いたします。

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特別展「式年遷宮と日本伝統工芸-不変のフォームと古からのアート-」|展覧会情報|神宮の博物館 (isejingu.or.jp)

展示作品 献保梨拭漆小箪笥『歌合』

 

会  場 神宮美術館展示室Ⅰ・Ⅱ(アクセス

会  期 2024年3月15日(金)-4月17日(水)

休  館  日  木曜日(祝日の場合はその翌平日)

入館時間 午前9時~午後4時30分(最終入館は午後4時まで)

主  催 式年遷宮記念神宮美術館

協  力 公益社団法人 日本伝統工芸会

後  援 三重県教育委員会・伊勢市・NHK津放送局・中日新聞社伊勢支局